全英オープンに同行して
谷原プロ、矢野プロの全英オープン出場にあたり、ウェッジサポートとして同行してきましたのでおくればせながら皆さまにご報告させていただきたいと思います。
2008.07.13~07.21まで、イングランド北西部のロイヤルバークデールGCで行われた2008全英オープンへ、谷原秀人、矢野東、両PRGR契約プロに対してのウェッジサポートとして同行してきました。
両プロへの全英用ウェッジのスペックは、過去2004、2005年の少ないながらの私の全英オープンコース経験データを元に、事前の両プロとのウェッジに対しての現イメージを確認しつつU.K-SPECをグラインドし、両プロへ手渡しました。
イングランド北西部のコースセッティングの特徴として、地面(フェアウェイ、グリーン)の硬さ、芝付きの悪さ、ヒース等の一部の深いブッシュ、バンカーの細かい砂質などが、圧倒的に日本や一部アメリカと違うのですが、U.K-SPECとしてバウンス角のダウンとソール幅のカットダウン、クラブバランスの微少のダウン等、クラブが静かに動く様に対応しました。
矢野プロウェッジ 谷原プロウェッジ
今回同行し、練習ラウンドで実際にロイヤルバークデールでのウェッジ使用感と、コースコンディションの確認を行ったのですが、今回のコースコンディションは雨が多かった為か、予想に反してフェアウェイ、特にグリーンが柔らかかった事や、芝付きが思いのほか良かった事、そして逆にグリーン周りのラフが弱かった事が予想と違っていました。
コースセッティングとしては、グリーン周りにあごの高いガードバンカーが重なっていて、手前に入れると距離のあるバンカーショット、最悪はアゲンストで高さと距離を出すバンカーショットが要求されます。
またグリーン周りにのり面が多く存在し、どちらかと言えば日本的な造りで、外した時のアプローチはグリーン下からと言うより、グリーンサイドもしくは、のり面上からのショットが多くなる状況でした。

グリーン周りのラフは比較的弱く、ボールは地面に対して沈んだ低い位置にある場合が多く、ヘッドをラフの下に入れなくてはなりません。バンカーも、砂質は細かくさらさらですが、砂の密度が非常に高い為、跳ね返りが強くボールが飛ぶ砂でした。
ヒース等のブッシュは、予想通り根が強く太く、通常ボールは地面に対して浮いている状況でした。
今回のU.Kウェッジのセッティングでは、バウンス、ソール幅のダウンによって、硬いフェアウェイでの開きやすさ、安心感、ボールの拾いやすさ、ラフでのヘッドの入れやすさを追求しました。それによってバンカーでの跳ねを犠牲にしましたが、都合よくバンカーが飛ぶ砂質だったので、結果的に良い方向に転びました。
フェアウェイ、グリーンが柔らかかった事で、花道やグリーンサイドからのアプローチもスピンを入れたウェッジショットを使える頻度が多く、グリーン周りのアプローチやバンカーショットはサンドウェッジでロブショットがメインで使える状況でした。

通常、グリーンが硬く芝の状態が悪く速い場合、スピンを入れたアプローチショットはリスクが多い為、チップやバンプ&ラン、ランニングを使いますが、今回のグリーンコンディションでは殆どのプレーヤーがウェッジのピッチかピッチ&ラン、ピン位置によってバンプ&ラン、最悪でロブという選択で行けたと思っています。
唯一クラブバランスの微少のダウンが気がかりでしたが、ラフも弱かった為にバンカー同様ボールも飛んでくれ、花道からも薄めに拾えるため、強めにスピンを入れに行け、結果的には悪い方向には行かずに済んだと思っています。
今回は幸いにも、現場でのグラインドやベント等、大きな調整は無かったものの、同行して両プロとの各状況下でのショット選択やクラブ選択、ショットイメージを、確認し解決し合いながら練習ラウンド出来た事で、多少のウェッジの不安も拭えた事が凄く大きいと思いました。
今回の全英で気づいた事は、一部のPGAプレーヤーを除いて、殆どのプレーヤーの基本的なアプローチショットが物凄くシンプルにイメージしていて、シンプルにショットしていたことです。特に、欧州のプレーヤーはボールを上げなくてはいけない状況以外、ノーコックでナチュラルショットを多用していました。
メジャーのコースセッティングでは、如何にアプローチショットの再現性と安定性が重要かという事を感じました。
またギアでは、練習グリーンやクラブハウスで確認したほとんどのプレーヤーのウェッジがメッキされた物でした。一部メーカーでの製品でノーメッキもありましたが、基本的には各メーカーの製品も市販のメッキウェッジに思える程で、海外メジャーではメッキウェッジが確立され、認知されていると思いました。
メジャープレーヤーのショットを久々に目の当たりに出来た事やメジャーセッティングでの、ウェッジショットの主流を見られた事など収穫もかなりありました。
これからのウェッジ開発にも役立つ情報も得られましたので、皆さんには今後の製品にも期待していただきたいと思います。
トーナメントも後半戦の佳境に入っていますが、今後はトーナメントの様子などを公開していきたいと思いますので、引き続きMTIサイトをよろしくお願いします。
宮城


